パソコンゲームの解説、感想集[廃虚碑文]
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公開日:2003-10-06 | ページ表示数:4516回

Air

製作:key
発売日:2000-09-08
原画:樋上いたる 企画:麻枝准
シナリオ:9 グラフィック:9 システム:8 総合:8
長所:演出  短所:短編の寄集め
種類:W_??
感動系。プレー終了後に残ったのは謎とくどさと・・・。旅をしている主人公は、母親に言われていた翼を持った少女を、漠然と探していた。そんな時辿り着いた町。人形を法術で動かす大道芸で路銀を稼いでいた主人公だが、この町では成功しない。そんな主人公に観鈴は寝場所や食事を提供してくれるのだが・・・・。と出だしはこんな所。雰囲気は今までの作品と同じ。前半のギャグに切れがなかったのは悲しい。選択肢が少ないこともあって、運命というか登場人物の成り行きを追っていく形になっている。メインヒロインは観鈴で残りの二人のお話はメインヒロインのお話と繋がりを持たされているが、単体のお話だ。作者の意図は別にすると佳乃シナリオはありきたりな感じがして駄目だった。美凪シナリオ超常現象過ぎるが、まぁ良かったのかも客観的には。メインシナリオは、はっきり言ってくどい、しつこい。とけなして見るが悪い出来ではなかっただろう。一歩間違えば良くありがちな、ファンタジーになってしまう所だが上手くまとめてあると思う。絵は前作「Kanon」よりも綺麗にはなったと思うが、魅力に欠け、崩れているような気がする。「家族」を題材に、主人公が脇役に追いやられかけている事や、くどいために、評価は低いが、お話単体はかなり良い。間違っても買って損をしたという事はないだろう。少なくとも「Kanon」よりは気に入ったが、欠点が目立ったのが悔しい。プレーした印象は幸せな人達だなぁといった所。ということで上記の説明も兼ねて、以下ネタばれ、「DREAM」のサブヒロインのお話は完結していて楽しめたのだが、残りは引き込みが甘かった。「DREAM」の観鈴は未完なので当然そうなるが、主人公がある意味3人もいるのが、引き込みを甘くした原因のようだ。まとまりを欠いているように感じる。その原因は「SUMMER」にある。どこからどう見てもこちらのキャラクターの方が好感を持てる。その後に続く「Air」がしつこく、シリアスな内容だったせいもあるだろうが、心が「SUMMER」に残ってしまった。それなのに、全く描写がないまま終了してしまう。作品全体として閉じていない事もしっくりこなかった原因なのだろう。物語は始まりよりも前に始まり、終わりよりも後に終わっている。とは言ってもやはり気になったのはくどさだ。ゲームを評価する際に上手下手の基準にしていることもありこれは相当気になった。会話や雰囲気は前作までと同じで、非常に好きなだけになおさらだ。2度プレーしてみると、このくどさは必要なものとだった事がわかる。が、このくどさが必要な時点で語り方が間違っているように感じた。今までの作品とは違い非常に真面目に訴えてくるが、底が浅い。家族とはこうあるべきだ、こんなもののはずだ、こうなのだというだけだ。いやこんなことを書くのは稀有なことだが、このゲームの背骨が主張であり家族とはということだからだ。このテーマを真正面から取り上げるのは力不足を感じるが、取り上げた意義はかいたい。ということで、ちょっと思ったことを後に続ける。基本設定は「ONE」と共有していて、最後に出てきた少年と少女が「ONE」の主人公だろうと思った(格好は違うけれど)。というか狙っているのか、もしくは共通のバックボーンがありそうな・・・。実際は、ラストの少年少女は「Air」のマークや会話から判断して、観鈴と佳人の生まれ変わりの類のようだ。同時に最大3人も「そら、佳人、少年」といるというのはどうかと思うが、それ以外は説明できない。もしあるとしても、せいぜい星の記憶の継ぎ手かもしれないという程度か・・・。どっちにしても確定できない。他には神奈は空の彼方にいないのではないかという疑問もある。そらが最後に空の彼方に観鈴を探しに行く場面があるが、転生をし終えたのだから、これからは普通に輪廻の輪の中に入っているはずで、どうして空に戻ったという結論が出るのか・・・第一そらの記憶はなくなったはずなのに・・・・。あの世と空の彼方は多分、同義語だろう。ただ、そうなるとそらが連れ戻しに行くという設定自体ナンセンスなものになってしまう。で、少し考えてみたら、みちるは神奈の一部とうより羽の力で存在して、帰っていくわけだから今現在も空には神奈がいるということになる。という事は観鈴と神奈は単純にイコールで結べないのかも。後はギャグがあまり面白くなかったのは、生活に中心を持たない設定のためではないかと思う。ほぼ会話のみのギャグで前提条件を持たないためにその前提条件をちゃかすことが出来ないことが・・・・などと少し感じた。(それにしても、もし最後の少年が往人の生まれ変りだとすると・・・ずいぶんと悟った、感じの悪い性格になちゃって・・・・)(どうでもいいが、シャボン玉が出来ないという設定は無理があるだろう。配合によって触っても割れないシャボン玉も作れるそうだし。お手玉にしても、初めから出来たら天才だ、あさっての方向にお手玉が飛んでいったとしても少し不器用なだけだ。10時間20時間の練習が必要だろう。それでも出来なかったらすごいけど。)(このゲームに噛み付きたくなるのは、家族や命に対する考え方がどうもしっくりこないからだ。決して「がぉがぉ」「わぷぷ」などの奇怪な口癖や、SUMMERの時代設定や言葉遣い、美少女ゲーム特有の展開は全くこれっぽちも気にしてはいない・・。)

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