パソコンゲームの解説、感想集[廃虚碑文]
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公開日:2004-05-11 | ページ表示数:6847回

黒と黒と黒の祭壇~蟲毒~

製作:C's ware
発売日:2002-05-24
原画:山本京助 シナリオ:朱門優
シナリオ:5 グラフィック:6 システム:6 総合:6
長所:ロリ?  短所:設定
種類:W
ロリ、オカルト。歴戦の勇者である主人公が戦いに勝ち帰国すると、義妹である聖女によって処刑の命が下されていた。牢に現れた不思議な少女に誘われ聖女への復讐を決意する。連れられた先には、聖女や聖女と共に兄妹のように過ごした女騎士、そして自分の侍従も連れて来られる・・・。という出だし。魔術、儀式、神話なんかがキーワードになるオカルト。キリスト教を元にして他の有名な神話をブレンドしているようだ。段々と真実が明かされていくが、内容はどうでもいい気がしてくる。この類の話が幅を利かせてヒロイン達とのストーリーが非常に薄い。本末転倒というべきだろう。陵辱物としてもいまいち。聖女が言うことを聞くようになるのも、嫌われたくない誤解とはいえ許して欲しいという一心であって、陵辱物としてのコンセプトから外れているように思う。他も似たり寄ったりでこれは恋愛物の設定だ。だからと言って、そういう個別エンドがあるかと言えば、幸せと呼ぶには少々躊躇するような代物しかない。とにかく半端な作品。システムについては既読スキップが面倒だった事とセーブ箇所が21箇所しかない事の他には特に不満点はない、プレー時間が7時間ほどなので大した気にすることもないだろう。完全攻略は骨が折れる。エンディングの分岐はまだ分かるのだが、Hシーンの分岐は因果関係がないので難しい。HはSM系が多い。連れてこられた3人との物がほとんどで、他は不思議な少女や天使の絡むものが少しあるだけ。聖女以外はおまけみたいなもの。CGは雑多なものも合わせても100枚以下しかない。ロリ、オカルトこの二つの言葉に反応する人はやってみてもいいかもしれないがどの角度から見ても傑作とは言えないだろう。(絵は悪くはない。音楽は・・・そういえば流れていたような気がする。歌はオープニングにはあった。声は悪くないだろう。)(言葉にして伝えていさえすれば防げていただろう思い違いが多すぎる。と言うことで愚痴という名の、以下ネタばれ。こういうゲームでは主人公が皆に好かれているのは常識中の常識だが、このゲームはやりすぎ。元の場所に戻った時の民衆や騎士の歓迎ぶりはもう信仰のレベルに達している。牢屋から始まるので主人公の栄光の日々など知らないこちらとしては、オタクの自意識とダブらせているのではないのかと勘ぐってしまうほどだ。まぁこれは大したことはないのだが、売りのオカルト部分がどうもぱっとしないのが気になる。どこかで聞いた事のある実のない話が延々と繰り広げられる。神だろうが、神々だろうが性格悪すぎて話しにならない。チッセが悪魔というのは濡れ衣だと言っていたが、主人公以外に対する行動は悪魔そのもの。神にしても勿体つけて出てきた割には悪い感じに年を取ったお爺さんのような、人間味豊かな情けないキャラクターはなんだろうか。そして何より、聖女にしてもチッセにしても言うべき事を言わない。聖女は事前に理由を教えておくか、再会した時すぐに騙されたと言うかすればこういう事にならなかったはずだ。チッセは隠し事が多すぎて、自分の気持ちをきちんと伝えないから主人公に拒否されるんだと思うのだけれど・・・。だが、当然ながらこうであるから矛盾したストーリー展開が可能になる。少しの違和感と引き換えならば商品として当然の選択だろう。ただ、そうであっても作品としては大きな欠陥だ。

©C
©C's ware(シーズウェア)/黒と黒と黒の祭壇(クロトクロトクロノサイダン)
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