パソコンゲームの解説、感想集[廃虚碑文]
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公開日:2004-04-24 | ページ表示数:4014回

ヤミと帽子と本の旅人

製作:ROOT
発売日:2002-12-20
原画:CARNELIAN シナリオ:宙形安久里
シナリオ:6 グラフィック:6 システム:6 総合:6
長所:複数世界  短所:全てが軽い
種類:W
世界を渡り歩くファンタジー。突然に見知らぬ図書館で目覚め、しかも自分はアマガッパになってしまっていた。何故かしゃべれるようになっているペットの肥満インコと自分を着ている幼児を道案内に、愛する義姉に会うため、自分の世界の破片を探し出すために本の世界を渡り歩くことになった。あらゆる世界が本として納められている図書館を渡り歩く設定で、本の中では魂のない死体などにとりつき、大阪弁のインコとともに翻弄される。錬金術師、夜行列車、宇宙庭園、孤島、竹取物語、の世界で、相互に微妙に関係している。これらは、一つの独立したお話としては短すぎ、内容も半端だが、全体の物語の一部として見ればその役目は十分に果たしていると思う。システムは問題ない出来。レイアウトなど良いとも言わないが、とりたてていうこともない。絵は大御所だけあってきれいで丁寧だ。立ち絵というものはなく、左下に発言者の上半身やチビキャラが表示されるのだが、種類も豊富で笑えるものも多く、物語を盛り上げている。全体的に半端な印象のためや、正体不明のキャラクターが多く出演している事、説明不足のために釈然としないものは残る。しかし、暇つぶしや気分転換に最適の楽しい物語で深く考えず気楽にやるとよさそうな作品。(アニメのようなお気楽物で、対象年齢は・・・18歳未満のような気がする。)(プレー時間は7時間程度か?)(一度使ったコネタを違う世界でもう一度活用するという手法は、プレイヤーが馬鹿でもなんだか利口になった気分にさせてくれてよさげ。亀の甲羅の猫になるとはまた・・・・しゃれてますね。)(攻略は少し骨が折れるが、基本に立ち戻って、目的のキャラにやさしくする、他のキャラとはHしないという原則を守れば、3種類のエンディングに行き着けた。)(以下ネタばれ:他のゲームからの出演が多く、理屈抜きで元のゲームの性格、位置づけがなされているらしいことからも、このゲームが考察の対象でないことがわかる。だがしかし、マリエル=マウなのか?、玉藻の前とメイリンの関係は?、アーヤは何者?、ガルガンチュアや子分達はあの後どうなった?、などなど疑問は枚挙に暇がない。マウはなんとなくマリエルの記憶があるらしい事、玉藻の前はメイリンの記憶があること、アーヤはマヤ以上の存在であること、ガルガンチュアはジョウーに吸収されただろうこと、子分達は千年もたてば出てくるだろう事・・・・はわかるのだが・・・。語られていないことは分かりようもない・・・。では視点を変えて、この作品について見てみたい。まず、底が浅くハチャメチャコメディーになった理由として(製作者が意図してそう作った・・・というのが正解だと思うが)、ガルガンチュアや子分達の扱いがただの哀れな悪役としてしか描かれていない事がある。悪役が弱く、立っていない作品はそれだけで駄目なものだ。そしてお気楽過ぎてそれ以前だろうが、力関係も帽子一つで動いてしまって、緊迫感も何もあったものではない。エンディングにしても、イブの気持ちや、本の世界の住民の気持ちはどうなるのだろうか?マリエルなんて、主人公と結婚する気らしいし・・。イブとの関係が主人公の間接的な行動に左右されるのも違和感が出る。と、こういうことを考えるような人間でも、そこそこ楽しめのだからまぁ、秀作なのだろう。蛇足だが、アニメ版では上のいくつかの疑問に答えているが、設定が同じかどうかは製作者のみ知ることだろう。

©ROOT/ヤミと帽子と本の旅人(持ち出し厳禁)
©ROOT(ルート)/ヤミと帽子と本の旅人(ヤミトボウシトホンノタビビト)
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